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 平成17年6月1日号より

watn特集タイトル
男はなぜか40歳を過ぎたころから麺に興味を持ち、一歩踏み出す人が”麺打ち”に目覚める。
そんな話を思い出しながら、去年から”麺打ち”に目覚めてしまった
趣味の麺道楽のKさんを山形県新庄市に尋ねました。
画面2 公務員のKさんは昨年から”麺打ち”の道に入りました。趣味の麺打ちはまず道具から。こね鉢、麺台、麺棒、こま板、麺切包丁、そば切り台、ふるい等々勢ぞろい。
まずはソバ粉とつなぎの割粉はいくつにしますか?と質問され、さあ?と答えてしまった。お勧めの8割にしましょうと言うことになりソバ粉8割、割粉2割をふるいに掛けてこね鉢へ丁寧にかつ敏速に入れていました。
画面2 ソバ粉と割粉をまんべんなく混ぜる。実はここから味が決まると言います。このまんべんなくと言うことが簡単なようで難しいんだそうです。Kさんは秘義を見せてくれましたが写真は勘弁とのことでここでは秘密です(残念)。
よく混ざった粉に水を注ぐのですが、ここにもポイントがありました。本当にちょっとだけ入れ粉になじませる。そしてまた水を少し入れなじませる。
画面2 ソバ粉600gに割粉150g。そして水は350ccの割合ですが、その日の粉の状態で水の量は変わるとのことです(この辺が”感”ってヤツですね)。
水を入れ終わったので、つい私は「粉っぽいですねえー」と言ってしまいましたが、「まあ、見ててください」とKさん。ど素人の私はあまり口を出さないほうがいいみたいですね(反省)。
画面2 その粉をこねていくと段々と固まりになっていきました。「腕に力は入れるんですか?」とまた作業中に質問してしまった私にKさんはやさしく「そんなに力いれてはいないです。腕だけに力を入れすぎると疲れますので体全体を使ってこねるんです。」と。
その固まりに回りの粉もどんどんついていき、先ほどの「水が足らないみたいですね」というニュアンスの私の言葉が恥ずかしくなりました。
画面2 こねてこねてこね鉢から粉が無くなってみごとなお団子状のソバの固まりが完成しました。ここでの堅さで出来ぐあいがはっきり見えると言うことでした。
今日は私の好みの固めにしてくれました。
画面2 さあ、乾燥して堅くなってしまったら味が悪くなってしまうそうで、さっそく麺板に打ち粉を振りまき、お団子状のそばを麺棒で伸ばしていきます。まずは丸く、そして厚さが均一になるように、でも手早くです。ここであまり焦ると切れてしまうそうです。
画面2 均一に丸くなったら、今度は麺棒を二本使い四角にしていきます。丸を四角に伸ばしながら変形していくのはなかなか頭の中では難しいのですが、Kさんはテキパキ麺棒に巻き付けながら伸ばしていきます。あれよあれよと見ている間に四角になりました。
画面2 最後に打ち粉をまぶしながら折り畳んでいきました。このとき、その板状の麺の厚さは約2mm。そしてほぼ均一になっていました。
画面2 麺切包丁でサクッサクッと切っていきます。約2mmの幅で均一に切るのですからこれも大変です。サクッと切った後、麺切包丁で駒を押すのですがなかなかなれないと難しそうです。
画面2 約100g程度で一束にします。坦々と続く作業ですが、最後の最後まで気が抜けないです。
Kさんは趣味と言ってましたが、その手際のよさには驚きました。
週に1回は麺打ちしているそうです。やはり体で覚えるのが大切なようですね。
画面2 出来上がりをすぐにゆでてもらい、冷たい水でしめます。この艶、写真でわかりますか?味は書面では伝わりませんが、注文通りの堅麺でおいしかったです。
私はソバつゆで頂きましたが、Kさんはソバの味を確かめるように水で食べていました。さすがー。
ごちそうさまでした。



 
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渡辺よしお (watnjp@ybb.ne.jp)